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爽やかな上高地でリフレッシュ

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2023.05.22

施術の間

爽やかな上高地でリフレッシュ

2023.05.22付
【滋賀県甲賀市の小波津式整体施術なら】
いしやま整体サロン連載ブログ第61回
『爽やかな上高地でリフレッシュ』

 標高1500メートル上高地での目覚めは爽やかそのものだ。マイカーで前日の夜半に出発して、新名神道、東海北陸道、中部縦貫道を経由、高山から国道158号線を飛騨と信濃の国境である安房峠に向かって走行すれば、奥飛騨平湯温泉あかんだな大駐車場までは4時間かからず行ける。夏の夜明けであろうが、現地まで充分な余裕をもって走行できる。あかんだなにマイカーを駐車して始発シャトルバスに乗車、上高地バスターミナルまでは40分ほどかかる。急傾斜の釜トンネルをぬけて大正池や活火山焼岳を左側に望みながら進む。これが、ぼくの毎夏いつもの上高地往復ルートだ。河童橋の由来は芥川龍之介に起因する。かつて芥川全集全巻を読んでいて気づいたのだが、芥川は生前上高地がお気に入りで、東京田端から沢渡(さわんど)坂巻温泉までやってきて、そこから徳本峠(とくごう・とうげ)を歩いて上高地へ入っていたらしい。

上高地平高層湿原をのんびり逍遙

 いまよりももうすこし若くて穂高縦走テント泊が可能な体力さえあれば、上高地を起点にして西穂ジャンダルムへの直登往復ルート、岳沢湿原から重太郎新道を紀美子平・前穂そして河童橋から望める前穂の吊り尾根経由で奥穂・北穂・槍までを、ヘルメット・ヘッドランプ着用で努めて用心深く縦走して、槍沢を上高地横尾まで下山するのだが、まもなく72歳を迎える小生の体力持久力では、もうそろそろ北アルプス1万尺登山にトライするのは潮時だろうと考えている。そこで今年からは広大な上高地平高層湿原を、小梨平キャンプ場や梓川沿いに点在する山小屋に連泊しながらのんびりゆっくり逍遙することにした。気力だけはまだ十二分にあると気負っていても、寄る年波を考えればけっして無理はできない。瀕死の重傷を負うわけにはゆかない。人生120年、心身健康体のまま大往生という遠大な長期目標を掲げているだけに慎重を要する。

半身完全麻痺患者さんへの施術

 しばらく静養したくなり、連載ブログ執筆と小波津式整体施術を休んでいた。というのは、過去1年間にわたり中3日ペースで継続して、高齢者集合住宅で訪問治療施術をおこなっていたX氏への施術を終了できることになり、ちょっと一服一息入れたくなったからである。脳梗塞2回と脳出血により半身完全麻痺になられたX氏は、コロナ禍真っ最中の2年前に自宅で倒れ意識不明状態に陥ったまま、救急車で総合病院へ搬送されていた。ICU集中治療室に入ったまま意識不明状態が1か月続いたが、その後に意識が回復したものの、コロナ禍がピークだったこともあり直ぐにはリハビリを受けられなかった。発症から3か月目に入り、ようやく理学療法士によるリハビリを受けられるようになられた。あいにくその矢先のことだったが、病室からリハビリルームまでの往来中に転倒され、そのときに運悪く完全麻痺した側の肩関節を強打されたという。

状況により困難を極めるリハビリ

 整形外科医の診断は、骨折こそ免れたものの亜脱臼とのことだった。リハビリ期間中に担当理学療法士は「肩関節亜脱臼の治療も合わせて行うように」と医師から指示されたようだが、治療を始められないまま発症後2か月以上が経過していたこともあり完全麻痺側筋肉の拘縮や硬結が酷く、その回復治療は困難を極めた。しかもX氏の口からは止めどなく涎が溢れるように流れるので、プラスチック製の涎受け皿容器を用意せざるを得ない状況だった。誤嚥性疾患予防対策・咀嚼機能回復訓練・パタカラ発声訓練・ベッドから車椅子への具足をつけた乗降訓練・トイレ便座への移動訓練など広範囲におよぶ機能回復訓練を受けられた。総合病院からリハビリ専門病院への転院1回を含めて、やがて発症後1年が経過した時点で在宅療養に切り替えられて帰宅。在宅療養後は夫人の介護を受けながら、週2回はリハビリセンターへ送迎付きで通院されていた。

脳出血発症2年後から施術開始

 小波津式神経筋無痛療法によるX氏への整体施術を開始したのは、発症後2年が経過した昨年6月のことだった。ご自宅への訪問施術開始当初は、1日おきの施術だった。状況しだいでは連日におよぶことも多々あった。X氏はベッドでの寝返りや反転ができないために、施術は仰臥位(仰向け)による下肢手技基礎メニューおよびベッドに腰をおろした坐位による上肢手技基礎メニューを行うしかなかった。それでも1か月ほどで涎受け容器を首から外せるようになられ、脳や臓器の異常もまったく認められず、完全麻痺した上肢下肢の神経促通による機能回復治療に専念できるようになられた。完全麻痺していた上下肢をご自身の意思で少しずつ動かせるようになられ、纏足状態だった左足指爪先も甲側へ僅かに内転できるようになられた。6か月目からは伝い歩きによる歩行訓練も始められた。先日ケアマネジャーによるX氏要介護認定区分が3→1に改善した。

 担当ケアマネジャーが所属されるデイケアセンター所長と面談したのだが、「半身完全麻痺の患者さんの要介護認定区分が、3→1にまで改善することは通常ではなかなかあり得ず、自分の知る範囲では初めてお聴きしました」、とのことであった。

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